fanfic
一応、プライドというものがあるので、はっきりと言葉に出して誰にも言ったことはないが、もうすぐ22歳の誕生日を迎えるセフンには、現在、もっとも切実に欲しいものがある。 10代の頃は睡眠時間だった。ちょっと前は、恋愛する自由、だったかもしれない。 …
季節はずれの嵐のせいで、その夜は、もとから数えるほどの客しかいなかったのだが、ソファ席の二人連れが出ていくと、店内に残ったのは、その青年とバーテンダーのレイだけになった。 「あの。……すみません」 青年に呼びかけられて、レイはグラスを磨く手を…
If you want to learn about a foreign country, it is the best way to go to a supermarket there. もし、ある外国について知りたいと思ったなら、その国のスーパーマーケットに行くのが一番いい。 JD「あ、これ、皆さんも召し上がります? サワークリーム…
You will never know a real taste until you actually taste it. 実際に味わってみるまで、ほんとうの味はわからない。 C「……てゆーか、アレだね」 B「なに」 C「あんま、期待してたほどの味じゃないね、ココナッツジュースってさ」 B「こんなもんじゃない…
──げ、と思った。 やっぱ、あいつ、来てやがる。 指示された時刻より15分ほど早く控え室にやってきたのだが、ベッキョンが入室したときにはすでに、6名の受験者がパイプ椅子にすわっていた。 スマホをいじっている者、イヤホンを耳に差しこんで、楽譜を目で…
「そんで ? どうするんですか」 「なにが」 「アイス食ったあと。……どっか行くとか、何かやるとか。このあと、何か予定あるんですか」 「なーんも」 「……ノープランで、俺のこと呼び出したんですか、あなた」 「そーよ?」 「マジで?」 「うん。へへへ」 …
「なー」 「はい」 「なー、セフニー」 「だから何ですか」 「ねみー」 「眠いんですか」 「だりー」 「疲れてるのはあなただけじゃないですよ」 「てかさー俺」 「はい」 「ゆで卵たべたい」 「はいはい」 「あ、ゆで卵なら何でもいいってわけじゃねーぞ? …
1. ある朝の切符 好きなことなら、たくさんある。 スポーツ全般、特にサッカーと走ることが好き。徒競走ではいつも学年1位だったし、中学の頃には中距離を専門にやっていた。 3歳下の妹とも仲が良くて、二人で一緒に1匹の猫を飼っている。タンと名づけた…
リップクリーム。 スホ:「あ、やべ。俺、リップ持ってくんの、忘れた」 チェン:「え。またですか〜」 ス:「ごめん、ジョンデ。貸して」 チェ:「エェー。いいですけどぉ〜」 ス:「だって飛行機のなか、乾燥してるし。化粧品のファンイベントで、唇、荒れ…
メンバー同士の関係性を中心に、ファンフィクションを書いています。100パーセントフィクションのお話ですが、「もしかしたら、こんなこともあったかもしれない…?」的な感じで、お楽しみいただけると嬉しいです♪ 1. ある朝の切符・ある夜の通話 【Xiumin+C…
——新たにその取調官が尋問室にやってきたとき、俺は、おや?と思った。 ずいぶん若い。俺と同じくらいの年齢に見える。 にも関わらず、彼は、周囲の警官・刑事どもから最敬礼で迎えられていたのだ。 上下関係が絶対の法組織において、彼の父親ほどの年齢の男…