こんばんは。夜ふかしチョコレートです。
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12月15日金曜日の午後、東京に住むQから、「しゃいにー!」「やるって!」というラインをもらった瞬間の気持ちを、私はまだよく覚えています。
2月17日・18日に京セラ、26日・27日に東京ドームで、あの5人がコンサートを開催してくれるというニュースを、私はまず、彼女からのラインで知ったのです。
「ほんとに? ほんとうに?」
「オニュ、兵役に行ってしまうのかな、と思ってたけど」
「5人が揃うんだ!」
「キー、よかったね!(キモくてすみません。でも、ほんとうに心のなかでそう彼に語りかけた)」
「行くよ、行きますよ、もちろん!」
「5人のSHINeeに会いに!」
興奮と嬉しさ。
顔が自然と笑ってしまうくらいの。
あとから聞いたところによると、Qはそのニュースを知った瞬間、大学の図書館にいたそうなのですが。
「もう『きゃー♪』ってなったよ。シャオルの友達と抱き合って喜んだもん」
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12月23日、EXOの公演を見終えて、福岡マリンメッセから帰るバスのなかで。
私は、スマホの電源を切っていたことを思い出し、電源を入れました。
すると、「『SHINee WORLD THE BEST 2018 〜FROM NOW ON〜』お申し込みの皆様へ」という件名のメールが来ていることに気づきました。
私とQの2人は、2月26日の東京ドーム公演に行く気満々で、すぐさまFC優先のチケット申し込みをしていたのです。
「皆様へは公演につきましての今後の予定をお伝えしなければならない状況ではございますが」
「メンバー、スタッフ一同まだ現実を受け入れられないほど胸を痛めております」
「皆様には、たくさんのご心配とご迷惑をおかけするのは承知の上ですが、もう少しお時間を頂けますと幸いです」
「つきましては、各所協議した上で、改めて今後の予定をご案内させていただきます」
——こういうのが来たよ、と隣にいたQに見せました。
Q 「ほんとうだったら、FC先行申し込み締め切りが、24日のクリスマスイブだったんだよね……」
私「うん。その抽選の結果発表が、26日だった」
Q「どうなっちゃうのかな、SHINee」
私「わからない。ほんとうにわからない」
——そんな会話を交わしながら、9月2日の東京ドームで、彼らが登場したときに、4つしかなかったシルエットのことを、私は、ありありと思い出していました。
あの瞬間が、ものすごくつらかったんです。わかっていたことだけど。
でもそれが、今度こそ、5つのシルエットになるんだと思っていました。
12月15日の午後3時すぎから、18日の午後9時40分ごろまでの間は。
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昨夜、東京のQとたまたま電話で話をしました。
私「SHINeeの件、まだ、チケボから何の連絡もないよ。1月8日になったのに」
Q「やるのかなあ」
私「私はもう、やらないと思ってる。だって、やるとしたら、もっと早く告知しないとならないでしょう」
Q「そうだよね。京セラの初日は、2月17日だもん。あと1ヶ月ちょっとか」
私「なのに、何の連絡もこないってことは、やらないってことなのかなあって」
Q「オニュのときとは、全然事情が違うしね」
私「うん。実際問題、できないんじゃないかなあ。だって」
そこまで言って、私は口をつぐみました。
あの日以来、私とQは、彼の名前を口にすることさえも、躊躇するようになってしまっていました。
Q「そうだよね。だって、いないのが、彼、なんだもん」
ほんとうにそうだ、と思いました。
あの5人は、誰1人欠けてはならないのだけれど、ジョンヒョンがもっとも、もっとも欠けてはならないひとだった。
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今日、1月9日。
夕方、お仕事を終えて、ふとスマホを見るとメールが来ています。
12月23日、福岡マリンメッセからの帰りのバスで受け取ったメールと同じ件名でした。
正直、コンサート中止のお知らせだろうと思って、読み進めました。
が、途中で、「あっ」と声が出そうになりました。
「公式発表のありました通り、『SHINee WORLD THE BEST 2018 〜FROM NOW ON〜』を予定通りの日時にて開催させていただくことになりました」
かなり驚きました。
——そうなのか。
あの4人、やるって決めてくれたんだ。
でも、大丈夫かな。
みんな、本当はつらいのに、無理したり、してないかな。
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12月18日のできごとは、さまざまな意味あいで私に涙をもたらしたのですが、実は、かなりつらかったのが、「ファンの私たちの気持ちが、もしかして彼を追い詰めてしまったのかな」という思いでした。
SHINeeが大好きだから、応援したい。
その活動を、もっと見たいし、知りたい。
コンサートもたくさん開催してほしいし、新しいアルバムも聞きたい。
そして、私たちを何度も魅了してほしい。
そういう私たちの気持ちが、彼の負担になってしまった面があるのだとしたら。
もしもそうだとしたら。
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何でもいいから情報がほしくて、SHINeeのファンクラブのサイトに行きました。
すると、ミノ、キー、テミン、オニュからの、それぞれのメッセージが掲載されていました。
彼ら4人の直筆の手紙と、その日本語の翻訳です。
一読して、バカみたいに泣いてしまいました。
そのあとも何度も読んで、また泣いてしまいました。
たくさんの逡巡と懊悩を経て、4人のステージを行おうと決心した理由が、4人それぞれの言葉で綴られていました。
「今はどれが正解であるかわかりませんが、まずはこれが正解だと信じて、みなさんとの約束を続けて繋いでいこうと思います」と書いてくれたのはミノ。
「これからみなさんの前でお見せするSHINeeの全てのステージにジョンヒョン兄さんと一緒にいるという想いで、『真心』をこめて準備します」
「僕たちみんな一緒に乗り越えて守っていけるように、みなさんがたくさんの力をくれると信じます」
そんなふうに彼は言葉を続けてくれました。
あの葬儀の日にも泣いてしまっていたキーは、「これまでの思い出がふと浮かび涙を流すこともあるし、胸も痛むけど、兄さんと一緒に時間を過ごしていると思いながらうまく乗り越えようと努力しています」と書いていました。
「僕もまた、たくさん悩みましたが、全てを諦めて心が落ち着くのを待ち続けているのは違うと考えました」
(この思考のたどり方が、ものすごくキーらしい、と思った。だから私は、彼のことがすごく好きなんだ、と思った)
「(日本公演を実施するという)この決定が、ジョンヒョン兄さんの望む僕たちの姿だろうし、ファンの皆さんとの約束を守りながら、良いステージをお見せすることが、一番SHINeeらしい姿と思いました」
テミンのメッセージも、ほんとうにテミンらしいな、と思いました。
「ファンの皆さんとの約束を守りたかったし、またこれからの未来において、僕たちSHINeeのメンバーたちと、別れたくなかったです」
「僕が一番居心地がよく、一番幸せだった時間たちは、振り返ってみると、メンバーたち、そしてファンの皆さんと一緒にいるときだったし、もっともっとSHINeeという名と同じチームのメンバーたちに愛情を持つようになり、諦めたくなかったんです」。
オニュ。
「まず、なんとお伝えすべきかわかりません」という率直な言葉から始めた彼は、ほんとうに飾らない、素直なメッセージを書いてくれています。
「僕はダメだと思いました…公演もできないと思いました…」
「しかし絶対に諦めないでほしいというジョンヒョンのお母さんの言葉を聞き、どこかで寂しがり傷ついているたくさんの方々の慰めになれるのならば、至らない僕だけどもっと頑張るべきだと決心するようになりました」
4人が4人なりの言葉で、ファンの応援への感謝を綴り、それがどれだけ、彼らの力になっているか、美しい思い出になっているのかを書いてくれています。
そういうファンとの約束を守りたいと思い、その気持ちにこたえたい、というのが、ステージをやろうと決心してくれた原動力になっているのだと。
ミノはミノらしく、キーはキーらしく、テミンはほんとにテミンだし、オニュもオニュらしい言葉だなあと思いました。
そして、みんな、すごく真摯に、とても真剣に、彼らの気持ちをつづってくれたな、と感じました。
ファンである私たちに向けて。
*
今日、私は、12月18日以来初めて、「これから先のSHINee」について考えました。
あなたたちのメッセージを読んだからです。
私は、翻訳された日本語の文章しか読めていないのだけれど(その翻訳も、時間がない中、スタッフさんによって、ひどく急いでなされたような感じの文章だなと思ってしまったけれど)、何度も何度も繰り返し読んで、私にはあなたたちからの言葉が、ちゃんと届いた、という感じがしています。
あの日から今までずっと、私は、「すごく輝いていた過去の5人」のことばっかり考えていました。
そして、「これから先のSHINee」について、思考停止していたことに、ようやく気づきました。
正直、私は、もう一度、東京ドームのステージで「4つしかないシルエット」を見るような力が、自分にあるとは、思えなかった。
そんな心の力を、私は持ち合わせていない、と思っていました。
悲しくて、やりきれなくて。
4人しかいないあなたたちを実際に見てしまったら、自分の心が壊れてしまいそうだと、すごく怖かったのです。
SHINeeのことを考えるときの気持ちは、私のなかで、とてもきれいな光のような感情でした。
それを、「素敵な思い出」にしておきたかった。
だから、「4人のコンサート」なんて、自分が行きたいのかどうかさえわからない、と思っていたのです。
でも、あなたたちのメッセージを読んで、今は、違う気持ちになっています。
「4人のコンサートをやろう」と決めるに至るまでのあいだ、あなたたちは、きっと一ファンが理解できないくらいに深く激しく、苦しんだり悩んだりしたんだと思うのです。
そういう苦しさや悲しみを経てもなお、あなたたちが私たちとの約束を守りたいと思ってくれたのだったら。
私も真剣に、その気持ちにこたえたいと思いました。
だからやっぱり、あなたたちに、ありがとうを言いたくなったのです。
ありがとう。
ミノ、キー、テミン、それからオニュ。
私たちとの約束を、大切にしてくれて。
私たちのところへ、もう一度、戻ってきてくれると、決意してくれて。
この「ありがとう」を、あなたたちに伝えるとしたら、それはやっぱり、コンサート会場しかないと思うから。
9月2日に買ったペンライトを持って、東京ドームに、もう一度、会いに行こうと思っています。
たぶん泣いてしまうだろうけれど(だいたい、これを書いている今もバカみたいに泣いてるのです)、でも。
この「ありがとう」を、輝くあなたたちに。
どうしても、どうしても伝えたいからです。
(2018.01.09)
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(この記事は「SHINee」⑧の記事です。)
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