コンサートがいったんお開きを迎えて、それから、アンコールがはじまるまでの、短いあいだのこと。
会場が一度、明るくなるのですが、当然、アンコールがあることがわかっているので、誰も席を立ったりしません。
みんな客席に居残って、再び、ボーイズがステージに上がってくるのを待っています。
そのとき、ホールのなかに、「For Life」のインストゥルメンタルがかかりました。
すると、その場にいた観客の皆さんから、それにあわせて歌声が始まりだしたのです。
オーディエンスの一人ひとりが、小声で口ずさむようにして歌うメロディ。
一人一人の唇から出る旋律は、さほど大きいわけじゃないけれど、この会場の客席を埋めるたくさんの人々の声が集まると、それは、響き渡るほどはっきりとした「歌」になります。
もちろん(というか)韓国語の歌詞です。
でも、何度も何度も聴いてきたファンだから、この会場にいるたくさんの人々は、彼らの歌を歌うことができるのです。
ステージには誰もいないけれど、明るい会場で、ペンライトの白いあかりが揺れています。
メロディにあわせて。
不覚にも、涙ぐみそうになりました。
ああ、こんなにも。
こんなにもたくさんのひとが、EXOのことを好きで、きっと、何度も何度も、この曲をイヤフォンで、プレイヤーで聴いてきたんだ。
それぞれの日々のなかで。それぞれの生活のなかで。
今、この曲を歌う、この会場のたくさんの人たちの胸のなかには、このメロディを歌った彼らの声が、鳴り響いている。
私がそうであるように。
ステージの裏側にいる彼らにも、あの歌声はきっと、届いていたと思うのです。
(着替えしたり、水を飲んだり、なんだかんだで、すごく忙しい時間だとは思うけれど)
自分たちが、どれほどたくさんの人々に愛されているかを、感じ取ってくれたはずだと思うのです。
空の上のほうにいる、人間よりも大きな存在に、感謝したいような、そんな敬虔な気持ちになっていました。
ありがとう。
私をこの場所に来させてくれて、この歌声に加わらせてくれて。
この会場に満ちる、とても強い感情に、実際に、ふれあわせてくれて。
──ペンライトを振りながら、私は、今この瞬間の自分の気持ちを、ずっと覚えていようと思いました。
この瞬間、私の胸を満たしている、温かくて、混じりけのないきれいな気持ちを、しっかり記憶しておこうと。
この宝石のような美しい想いは、明日から戻っていく日々の生活のなかで。
とても特別なきらめきを放って、私を守ってくれるはずのものだから。
ありがとう。
EXOのみんな。
あなたたちが、EXOでいてくれて、ほんとうにほんとうに、よかった。
(いつもながら、無駄に愛があふれた暑苦しい記事になってしまいましたが(苦笑)、おつきあいくださって、どうもありがとうございました。)
(2018.01.05)
(この記事は「コンサートレポ」⑦です。)
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