Let us know what color you loved when you were a kid.
Take us to the place where your dream was born for the first time.
子どものころにどんな色が好きだったかを教えて。
あなたの夢が最初に生まれた場所へ連れていって。
Take us to the future you want to see.
Let us know the color of the lights you will create.
きみが見たいと思っている未来へ連れていって。
きみがつくりだそうとしている光の色を教えて。
*
今さらなんですが、私はベッキョンとチェンが好きです。
どちらか一人を選べないほど、ふたりともが好きなんです(というわけで、いろいろ大変。なにせ、いろいろなものを2個、買わなくちゃいけないから・笑)。
CBX『Blooming Days』発売直前の今日は、このふたりのコントラストについて、書いてみようと思い立ちました。
0. デビュー時、3つのエピソード
【エピソード①】
チェンとベッキョンのSM入社時期は同じで、EXOのメンツのなかで、この2人だけ練習生期間が1年未満と非常に短い。
両者とも、音大受験を志望していた時期があり、入社の経緯は「歌のオーディション」で、デビューチームに最後に加わった2人でもある。
【エピソード②】
カイの練習生期間は5年にわたっており、実はスホの7年に次ぐ長さなのだが、彼は、「ジョンデヒョンとベッキョニヒョンの二人がデビューチームに加わったときに、『ああ、これでようやくデビューできる』と思った」そうである。
【エピソード③】
ジョンデとベッキョンの二人は、同じオーディションに合格してSMに入社している。
そのオーディションの、3次だか4次だかの最終選考に残ったの数人のなかに、当然のごとくジョンデもベッキョンも入っていたのだが、そのオーディションの最終審査で合格したのは、ベッキョン1人だけだった。
すなわち、ジョンデは当初、最終審査までは残ったものの、そのオーディションに「落ちて」いるのである。
ところが数日後、ジョンデのもとに一本の電話がかかってくる。
それは「再考した結果、やはり君を入社させたい」というSMの意向を知らせる電話であった。
——エピソード①は客観的事実だけれども、②と③はネットで読んだ情報(③は「ジョンデくんがラジオで語ったデビュー秘話」というふれこみ)なので、あまり定かではないのですが。
1. ライバルのふたり
①は、ベッキョンとチェンの「ライバル関係」を象徴するエピソードだと思います。
彼ら二人は、最初っから「歌の力」でSMに入社しているのだし、EXOというグループに入ったのも、「『ボーカル要員』として投入された」のは明らか。
メンバーのみならず、周囲の誰もが、彼ら二人を「うちの歌のエース」と目していただろうし、ベクとジョンデ本人たちも、自分の歌唱力に対する自負はもちろん相当に強いだろうと思います。
そして、これほどまでに似通った経緯でEXOに加わった二人、というのは、実にジョンデとベクのふたりだけです。そのうえ、生まれた年も同じ。
(ということは、単に「同い年である」というだけでなく、彼らは兵役の期間がほぼ同じになるという意味でもあります。——長期的なスパンで活動年度について考える場合、この「生年が同じ」という要素は、韓国人の彼らにとって、わりとプラクティカルな意味合いを大きく含んでくるんだな、と最近、遅ればせながら気づきました)
デビュー時点の、EXO-K・EXO-Mの2チーム体制で活動させていこうという構想のもとでは、Kの歌のエースがベッキョンで、Mの歌のエースがジョンデ、というポジショニングは、彼らの持っている能力がひとしく拮抗するものであったからこその、「力の振り分け」だったのだと思うのです。
2. ヴォーカリストの力
②で紹介した逸話、「ベッキョンとジョンデの二人が加わって、『ようやくこれでデビューできる』と思った」という、カイの率直な感慨は、EXOの「当事者のひとり」である彼の、ヴォーカリストふたりの役割を端的に言い表している言葉だと思うのです。
コンサート(夜ふチョコは、実に6回も行ってしまった大うつけ者です・笑)の帰り道、私はつくづくと、歌というものが持つ力について考えていました。
「コンサートって、歌がなければ始まらないし、歌がないと完成しないなあ」と、そんな当たり前すぎることを。
ぴしりと揃った、みんなのキレッキレのダンスにも魅了されたし(それにしても、すごく複雑なフォーメションの変化とレベルの高いカリオグラフィーだったなあと思う)、各メンバーのソロパートがそれぞれをもっとも魅力的に輝かせるかたちで、ちゃんと用意されている構成もすごくよかった。
カイのダンス、チャニョルのラップ、シウミンさんの愛らしさ、セフナの美しさ、スホさんの「スホさんらしいリーダーっぷり」も、全部、よかったのだけど。
でも、やっぱり、コンサートの魅力って、「歌」が最大にして最強の役割を担っているんだなあ——と思っていたのです。
コンサートの熱狂を出発させ、根幹を作り出すのが歌なら、その熱狂を牽引していくのも歌。
生み出され、高められた熱狂を、美しい思い出になるように「仕上げる」のも歌。
ダンスも、ラップも、あの舞台装置も、衣装も、照明も、すべてが「歌」の力を際立たせ、強め、ひきたてるために用意されていたんだなあ、と。
音楽に、人間の声と言葉を乗せて生み出される「歌」は、原初的でありながら高度に洗練された芸能です。それゆえに、精神とか情緒に、非常に直接的な快の感覚でゆさぶりかをかける、とてつもなくすごい力を持つものでもあるわけです。
そしてそういう力を持つ「歌」こそが、EXOの出発点にして基盤になるのだし、人気や熱狂を、牽引して高めていく力になり得る。
それから、その「人気」をショウビジネスとして収斂させ、完成させるような役割を果たすのも、やっぱり、歌なんだ、と思うのです。
3. 太陽と月。
さて。
エピソード③で紹介した、「SMのオーディションで一発合格したのはベッキョンで、ジョンデはいったんは落ちたものの、その数日後に合格した」というできごと。
ネットで読みかじった情報なので、真偽はあまり定かではないのだけれど、一読して、「さもありなん」と思ってしまった。
そして、ベッキョンとジョンデのコントラストを非常によく言いあらわした逸話だなあ、とも思ったのでした。
一発で、有無を言わさずに合格を勝ち取るのはベッキョン。
選考委員に再考させ、数日後に、わざわざ合格の電話をかけさせる力を持っているのはジョンデ。
ベッキョンは、メインストリームの歌手なんだと思うのです。
KとMの体制が形骸化して、ジョンデ・ベク・ギョンスの3人がリードヴォーカルとして活動するようになると、アルバムのタイトル曲(=勝負曲)の歌い出しは、ほぼ、ベッキョンに回ってきています(もちろん例外もあります)。
ベッキョンは、EXOの最大の武器だし、切り込み隊長でもある。
「体はここにいて、心はここにいない」という、『Electric Kiss』の、あの印象的な歌い出しを一番最初に聞いたとき、「やっぱりここはベクなんだ」と私は思いました。
日本で発売される彼らの初めてのアルバム、その一番の勝負曲で、聴く人の心の扉を最初にノックするヴォーカルとして選ばれるのは、ギョンスでもジョンデでもなく、やっぱりベクなんだ、と。
そして、ジョンデは、ベクとは違うルートを歩く、彼とは異なる魅力の歌い手です。
「ジョンデは二番手に回る」ということではなく、彼の資質として、メインを歩くベッキョンとは違うストーリーを進む歌い手なのだ、ということなのです。
(というわけで、『Count Down』のラスト収録曲、日本のファンのために特別な位置づけにある「Cosmic Railway」で「生まれ落ちる場所 選べないなんて 思い過ごしさ」という歌い出しを歌うのは、ここはジョンデが来るんだなあ、と思いました)
もうこの二人くらいの個性が確立した歌い手だと、「どっちが好みか」という問題は論じられても、「優劣」という問題は論じること自体がナンセンスなんだと感じています。
「1メートルと1キログラム、速度の速いのはどっち?」という問題が、設問として成り立たないように。
4. ふたりのコントラスト
きらいなところもちょっとはあるんだけど、それを上回る勢いで、ものすごく好きなのはベッキョン。
きらいなところが見つからなくて、ただただ大好きでたまらないのがジョンデ。
歌声で、どきどきしてうっとり陶酔しちゃうのがジョンデ。
ぞくぞくして、胸が苦しいくらいに熱狂しちゃうのはベッキョン。
EXOという存在を知ったばかりの頃の印象。
「うーん、変わった顔(だから、すぐに覚えた)。このひと、日本人の若い女の子に、あんまりウケない顔なんじゃないかなあ?」——ジョンデ。
「アイメイクが濃い(だから、メイクなしだと印象が違いすぎて、なかなか顔が覚えられなかった)。あと、なんか生意気そう」——ベッキョン。
(当初はこのふたりのこと、そう思っていたんですよ…遠い目)
何にもとらわれずに、自由自在に歌声をはばたかせる感じがすごく好きなのは、ベッキョン。
澄んだクリスタルヴォイスが、あまくロマンチックに響くところに夢中なのがジョンデ。
今、一番、歌がうまいと思うのはベッキョン。
今、一番、歌声がきれいだなと思うのはジョンデ。
感情を大きく揺さぶられるのはベッキョンの歌声。
耳にずっと残り続けて、離れなくなるのはジョンデの歌声。
——と言ってみたけれど、うーん、これは、逆転していることが、しょっちゅうだなあ。
ファルセットが官能的で、どうしようもなく魅力的なので、何度もなんども繰り返し聴いてしまのうがベッキョン。
ファルセットがせつなくて、たまらなく好きな声なので、何度もなんども繰り返して聴いてしまうのがジョンデ。
ハイトーンのクリスタルヴォイスなのに、聴きながらしょっちゅう、自分が少女の頃に戻って、「憧れの男性」の声にうっとりしているような感覚を味わうのがジョンデ。
はっきりと男性的なハスキーヴォイスなのに、なぜか聴きながら、自分が「男」になって、女の子に対して感じるような魅力を感じているのがベッキョン。
太陽みたいな歌声だと思うのはビョン・ベッキョン。
月の光のような歌声だと思うのはキム・ジョンデ。
*
そのユニークな感性が育まれていった「過去」について、とても知りたくなってしまうのはジョンデ。
どんな場所で彼の夢は生まれたんだろう。
少年時代の彼は、何が好きで、どんなものを栄養にして、その夢を育てていったんだろう。
とても強い上昇志向を持っていて、いつも上のほう、先の方を見とおしているひとなので、彼が歩いて行こうとしている「未来」に、ついていきたくなるのは、ベッキョン。
だから、彼がわくわくしている「明日」という場所へ、その花咲く日々に、どうか、連れていってほしい——と願ってやまないのです。
(2018.04.08)
(コメント、たいへん嬉しく読ませていただいております。ありがとうございます。
お返事を書くまで、もう少しお時間がくださいませ。)
(この記事は『CBXに夢中!』18・Chen 23 ・Baekhyun18です)
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