EXOにmellow mellow!

EXOがだいすき! CBXに夢中な記事やMV・楽曲評、コンサートレポなど、ファントークを綴ったブログです。SHINeeについても少し。

チャニョルの音楽・セフンのチカラ【EXO-SC】【Nothin'】【On Me】

Nothin'

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 チャニョルのソロ曲の「Nothin'」。

 なかなかに胸に迫るものがありました。

 

 「I don't ever worry about nothin’

 強烈な二重否定が、冒頭とラストに置かれていて、しかもそれは、何度も何度も繰り返される。

 

 歌詞もメロディも、それからMVの中でも、歌の主人公の苦しみや焦燥が、切々と訴えられています。

 

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 歌詞で使われるモチーフの言葉を見ていると、たやすくそれは、国際的なトップアイドルというポジションにいる、チャニョル自身とリンクしていくような内容になっています。

 

 「おれは苦しくてたまらない」というこの感情が、彼の心の深い部分には確かに存在していて、この歌は、その感情の真剣な吐露のように思えました。

 

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 チャニョルに対して、私は、なぜかいつも、余計な心配をしてしまいます。

 研ぎ澄まされ、はりつめられた現在のポジションにいて、彼のきらきらした心は、傷つけられてしまったり、追い詰められたりしないのかな、と。 

 

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 彼の心の奥底には、とても純粋なかたちで、音楽好きの男の子が住んでいるような気がします。

 もう27歳の、ちゃんとした大人の顔も持ち合わせていることを、知っていても、なお。

 チャニョルのなかに住む、その「男の子」には、いつまでも、きらきらした笑顔でいてほしいと願ってやまないのです。

 

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頭の中はすでに
black out
もう少し広い宇宙の中を泳ぐ
 
また別の僕が僕に理解できない
言葉で休む暇なく話しかける
 
いま僕の位置はどこなのか
砂漠の中 小さなサボテン
みたいにゆっくり育ってるんだ
 
丸裸で耐えてるよ 僕は

 

 歌詞のなかの、いくつかの言葉を目にして。 

 チャニョルは「アイドルという特殊なポジションで傷ついた心」を、こんなふうに、音楽作品という形に昇華させることで、救えるのかもしれないと思うようになりました。

 彼自身の心だけではなくて、同時に、彼の音楽を聴く私たちの心をも。

 それがきっと、チャニョルにとっての「音楽の力」なんじゃないかな。

 

On Me

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 ──夜明け前、闇のもっとも濃くなる時刻。

 薄暗く、だたっぴろい駐機場の空間で、ミッドリフをまとった3人の女性ダンサーが、体をくねらせるところからこのMVは始まります。

 

 「んー? なんだこの美女たちは…?」と見ていると。

 センターの美女の挑発的な視線に誘導されるようにして、カメラがぐーっと移動します。

 大きなカーゴトラックにもたれるようにして立つ、若い女性がずらりと並ぶ姿が映し出され、そして、その奥から、颯爽と現れる背の高い人影。

 

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 おセフン様のご登場ですわよ、エリの皆様!!

 
You know how I do it
 
なあ 口先だけ上手いのはやめろ
僕も遊ぶよ 地下
じゃなくて屋上でね
 
 女性ダンサーをずらりと従えて、王者の風格(としか言いようがない)でダンスパフォーマンスを繰り広げていかれる、我らが「ザ・おセフン様」!
 マイケル・ジャクソンもかくやとばかりに、右手をズボンの前に当てての挑発的なダンス(キャプチャ画像自粛)。

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太陽が見える また夜が明けた
撮影9年目だ
 
露出が職業だから
毎日ついてくる
zoom
 
 ──歌詞を目でたどっていけば、この「On Me」のなかの歌の主人公も、「EXOのセフン」を想起させるような作りになっているのがすぐにわかります。
 チャニョルのソロ『Nothin'』と同じ構図なのです。
 
 おまけに、MVには(歌詞にも)、おセフン様の飼い犬様であらせられる、おビビ様までご登場なさっちゃうからね!
 

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 ▲パール+カラーチェーンのネックレスをまとった、純白の毛並みも麗しいおビビ様の、ザッツ・スクショ・タ〜イム!
 
けなしたくても
ついて来れない僕の
physical
 
舞台の上は胃もたれしても
しっかり噛んで食べるグルメ
 
 そして、歌の主人公が、その特殊なポジションに対する苦悩や焦燥を抱えているのも、「Nothin'」と同じ。
 でも、チャニョルのときとは異なる方法で、セフンはその苦悩を打破していく。

 

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▲最初見たとき、「まじですか、おセフン様、おビビ様だけでは飽き足らず、お馬様までご登場ですか、そうですか…」ってなった(笑)
 

セフンの力

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 とにかく容姿が華やかなひとなので、つい、そこにばかり目が行ってしまいがちなのだけど。
 オ・セフンという青年の魅力は、むろん「見た目」だけじゃない。
 文章や論理を用いて説明することが不可能な、そういう不可思議な魅力を持っているひとです。
 

彼が蹴破る「ダブルバインド」

 彼が22歳ぐらいのときのことだったのだけれど、私の中で、強烈に印象に残っているひとつのシーンがあります。
 ファンから「EXO-Lとビビのどっちが可愛いと思いますか?」という質問が彼のもとに寄せられたのですが、彼はそれに対して、瞬時に「オセフン」と即答してみせたのです。
 
 うーん、と、うなりましたね。
 「EXO-Lとビビの、どちらが可愛いですか?」という、質問の中で提示されている「答えの2択」は、言うまでもなく「どちらを答えても不正解」なわけです。
 そのダブルバインドを蹴破って、「オセフン」という「最適の答え」を、即座に、そしてあざやかに返したところに「恐ろしく頭のいい青年だな」と舌を巻いたのです。
 
 
 自分の言葉、自分の一挙手一投足が、不特定多数の人間の視線に注目されているということの意味を、セフンは「本能的に知っている」ような気がします。
 
 EXOのほかのヒョンたちが、職業的な知見に基づき、体験的に学習していった「ファンの心理の機微」を、このひとだけは、最初から高い水準で「わかって」いて、それが彼の行動原理の根幹にあるのではないか。
 私には、そんな気がしてならないのです。
 
 そしてそれは、 彼のデビューが高校在学中だったことと、無関係ではないのだと思うのです。
 マンネであるセフンは、「EXO」という特殊なポジションにいる時間が、その人生の中で、もっとも割合が高いメンバーなのですから。
 

「詩」/ 「散文」

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 彼の発信するものは、非常に「詩的」だと思っています。
 論理と文脈を用い、言葉をつくして「散文的」に説明される種類のものではなく。
 セフンの直観によって切り取られ、そして、私たちの直観で受けとめることを要求するような、そういう種類の発信だと感じるのです。
 
 彼があげてくれた、いくつかのインスタグラムの写真が目に浮かびます。
 画面の切り取り方、構成、エフェクトのかけかた。
 彼の美意識、彼のセンスを用いて、あざやかに、あるいは静謐に切り取られた「セフンの経験」。
 オセフンという青年は、こういう「視点」を持って、その人生を歩いているんだな、と私はしみじみと考えたりします。
 

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▲セフスタグラムから。ドリームコンサートで使った、花の飾り。
 
Wannabe colorがはっきりしてるんだ
 
designして
my name
自分らしくして
オフしてWi-Fi
楽しみながら進む 眠いときは寝る
 

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 チャニョルが「砂漠の中 小さなサボテンみたいに ゆっくり育ってるよ」と歌詞の中で歌ったのと対照的に、セフンのほうは「嘘がうまくない僕」は、「自分の生きたいように生きる」と高らかに宣言しています。
 楽しみながら進み、眠たいときは眠り、自分の名前をデザインして、「嘘はつけない」「うわべだけ飾ったりしない」と。
 彼自身をもっとも魅力的に見せる、大勢のバックダンサーをしたがえてのダンスとラップソングで。
 

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 トップアイドルとしての苦悩や焦燥を、「音楽作品」という形にゆっくり育てて昇華させるチャニョル。
 「自分らしく生きる」「楽しみながら進む」と宣言するセフン。
 
 彼らのふたりの、世界の森羅万象に相対してみせるときの姿勢は、あまりにも異なっている。
 そう考えたとき、「ああ、チャニョルの方も、『俺が持っていないもの』を、セフンのなかにはっきりと見出していて、そして、セフンの力を必要としているのかもしれないな…」と、ひらめくように思ったのです。
 
 

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▲去年の春ごろだったかな…セフスタグラムから。

なぜ好きなのか、うまく言えないけど、すごく好きな1枚です。

 

(2020.07.29)

 

画像・歌詞の日本語訳はすべてお借りしています。ありがとうございます。

 

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夜ふかしチョコレートです。前記事に引き続き、「1 Billion Views」について、また語ってみました。このアルバム、ほんとうに好きなんですよね…コメント、応援クリック、ツイッターでの「いいね」、すべて嬉しく拝見しています♪ 読んでくださって、どうもありがとうございました(ぺこり)。