MCについて書こうと思います。
1. うちのビーグル・ハートの力
23日の「カイのズボン大事件」(マイクスタンドを使ってのパフォーマンス「ブーメラン」の終盤、急にカイが「すみません、すみません」と、焦った声で謝って舞台から降りていった。彼のズボンが破けちゃった!のですよ)のあと。
舞台が暗転したので、最初、何が起こったのか、よくわかりませんでした。
会場はへんな感じでざわざわするし(事故があったのかと思った)、「すみません、すみません」って言ったのが、とっさに誰だったのかわからなくて。
会場が明るくなって、「あれ、7人?」「カイが抜けてる!」ことに気づいたのと、メンバーのトークで、カイのズボンが破けた、という事態を把握できたのが、ほぼ同時だったかな。
というわけで、そこで急遽、メンバーのMCで、「カイが戻ってくるまでの間」をつながなければならなくなってしまいました。
そして、その「ズボン大事件」による想定外の「空白」を、きちんと埋めてくれたのが、チェンチェンでした。
韓国語で、通訳さんを交えて、だったのだけど、「僕はカイの気持ちがよくわかります。香港のステージで歌っていたときのことなのですが」と、彼自身のエピソードを話しはじめました。
「そのときの舞台は、とても高い場所にせりあがっていって、3、4メートルぐらいの高さのところで歌うのですが、そのときに、僕のズボンが破けてしまいました。
どんなに隠そうとしても、ファンの皆さんは下にいるので、全部が下から見えてしまうわけで。
あのときは、家に帰ってからものすごく落ち込みました」
あの場でとっさに、そういうエピソードを、おもしろおかしく話すことのできる「機転」というものを持っているのは、やっぱりチェンチェンなんだなーと思って聞いていました。
(このひとの作詞とか見ても思うことだけれど、ものすごく頭がいいひとだ)
「笑えるトーク」として、うまいこと「展開」させながら、しかも、通訳さんを交えるので、ちゃんと「1行分ぐらいずつ」の分量で切って、ジョンデは話すわけなのです。
それって、簡単なようでいて、実は相当に難しいことなんだと思う。
わりとぐだぐだになりがちな他のメンツ(ぶっちゃけ、それってカイのことですけど・笑。ふふ)のトーク場面を見てると。
ステージでマイクを持って話すチェンチェンからは、たくさんのファンに向かって、「一生懸命おしゃべりしよう!」っていう姿勢がつよく伝わってくる。
私は彼のそういうところが、とても好き(今さらの告白)。
それから、えらいなあと思ったのは、このときのトークの間、チャニョルが「それは高いね。すごく高い」とか、ベクが「まじでー」などと、ちゃんと日本語で合いの手を入れること。
ご本人たちが自分で考えてやりだしたのか、誰かから具体的に示唆されてやっているのか、はたまた先輩たちの日本でのステージのMC場面を見てそうしようと思ったのか、よくわからないけれど。
チェンチェンの韓国語のトークが、無言のままのメンバーによって「じっと聞かれている」のではなく、あの2人が日本語で茶々を入れてくれることで、雰囲気がすごく変わると思うのです。
実際、会場から何度もあたたかい笑い声があがっていました。
外国の舞台で、外国語を使ってオーディエンスと対峙するというシーンは、彼ら自身が持っている「ハートの力」が、掛け値なしにためされやすい瞬間だと思うのですが。
うちのビーグル3人は、3人とも、彼らなりのとても素敵なハートの力を持っていますよね。
ね、リーダー?
──と、スホさんに語りかけてみたくなった夜ふチョコなのでした(←「キモイ」というツッコミは、すでにセルフでやってますから、安心してくださいね、皆さま♪)
2. トークの立ち位置
トークのときの並びは決まっていて、向かって左側から「チャニョル・ギョンス・カイ・スホ・チェン・シウミン・ベッキョン・セフン」の順番なのだけれど。
「背の高さ」+「トーク力」をかんがみてのこの配置、なのだと思うのですが(ギョンスがカイの隣に配置されているのは、「お守役」なんじゃないかと疑っています・笑)、非常にうまいこと機能していたなあ、とか思うわけです。
① 【Suho】
スホさんは、日本語を話すときに「カンペをガン見」していたけれど(リーダーとして、彼が場を進行させる場面がとても多かったので、仕方がないことだと思う。スタッフさんからほかの指示とかも出ていたかもしれないし)、ちゃんと日本語の語彙とか構造をわかったうえで、このひとは話してくれているんだな、という印象でした。
以前は「さっき楽屋で覚えてきました」的な話し方で、そういう日本語は、実は非常に聞き取りにくいのだけど、私は今回のスホさんの日本語は、とても聞き取りやすかったな。
(SMさんに超絶お願い。スホにいますぐ、日本語ネイティブの個人教授の先生をつけてあげて。いや、その程度のこと、もうすでにやってるのかもしれないけれど、このひと、「勉強」によって、ものすごく伸びそうなタイプなんですもん。
初学の人には「同じ母語の先生」による指導のほうがいいと思うのだけど、もう彼の日本語力は、「適宜、語彙を入れ替えながら」「自分の力でセンテンスを組み立てようとする」ところまで来てるんじゃないかな。
ここまで来てれば、あとは本当にあっという間、個人教授で特訓すれば、がーっと行きそう。週に1回とかでいい、定期的にレッスンするだけで、全然違うはずだから!)
② 【Chen】
「ありがとうございます」「よろしくお願いします」「皆さん、楽しんでますか?」などの、いわゆる「定型文」の日本語の発音がすごくきれいなのがジョンデくん。
「ざ」とか「つ」とか、ある特定の発音が、韓国語を母語とする彼らにとっては難しいのだと思うのですが、そのあたりも本当にきれいだし(あきらかにメンバー1)、イントネーションが正確なのでとても聞き取りやすい。
声が澄んでいるので、発音がクリアな印象になって、そのへんもポイント高し。
③ 【D.O.】
韓国のバラエティではシャイな表情で、わりと口数が少ないのに、しっかりした「彼自身の日本語」を果敢に話すのがギョンス(このひとも勉強によってきちんと伸びそうな感じ)。
チャニョルが「次の公演場所」を「東京」と間違えてしまったときに、会場から「ちがうよー! さいたまー!」みたいな声があがり、(おそらくスタッフからカンペが出たような感じだったけど)、「さいたま」とチャニョルに教えてあげたのがギョンスでした。
コンサートの同行者だったQ(熱烈なギョンスペン。彼女にとっては「ギョンス1人への愛の量」と、「残り8人への愛の総和」は等しいそうです)の言葉をご紹介しますと。
「たぶん、ギョンちゃんは『日本語』自体にすごく興味があるんだと思う。チャニョルはあきらかに『日本語カブレ』を発症してる(夜ふチョコ注・しかも「盛大に」!)けど、ギョンスも同じように『日本語を話したがっている』んじゃない?」
「日本語カブレ」なんて書いちゃったけど、でも「使ってみたい」「話してみたい」というシンプルな欲求は、第二言語習得においては、とてもとても大きなエンジンになる。「好き」「楽しい」っていうのは、外国語を習得するうえで、ものすごく大切なことなんだとこのごろしみじみと思う。
④ 【Chanyeol】
チャニョルがほんとうに一生懸命日本語を話そうとしてくれているのは、もうファンの皆さまならよくご存知だと思うけれど、特筆すべきは、彼が「通訳さんの日本語」にきちんと耳を傾けていることだと思うのです(えらいと思う、ほんと)。
すべては無理なのだとしても、彼には確実に「理解できるところ」がたくさんある感じ(通訳さんの訳にウケて、笑っていたりした)。
メンバーの韓国語を、プロフェッショナルな通訳さんがどう日本語にしてくれるのか、それを実地に聴くのは、非常に大きな糧になると思う。
チャニョル、きみが日本語をがんばってくれて、とても嬉しく感じているファンは多いと思うのですよ。
ファイティン! チャニョル、超ファイティン!
⑤ 【Kai】【Sehun】
「意外に」といったら失礼かもしれないけれど、カイ(特にカイ)とセフンが、予想以上にそつない感じで日本語でコメントしてくれるのが、嬉しいできごとでした。
「前もって用意しておいたコメント」の日本語を披露してくれたにしても、カイは特に、今年は日本語環境に身を置くことが多かったせいなのか、「たどたどしさ」がぐっと減っていたと思うのです。
あと、韓国語でしたが、意外とセフナが突っ込んでくるトークをするな、と思いました。
なんだか私は、よくこのマンネに、「このひと、意外と〜〜なんだなあ」とよい意味で裏切られることが多いです。不思議なひとだ。
⑥【Xiumin】
24日の一番最後の感想で、「日本語の力が足りないので、自分で自分に腹が立ちます」ということを言っていたのはミンソクさんでした。
(そして、CBXの活動のときとか、「もっと日本語を勉強したい、しなくちゃ」みたいなことを、彼は何度も口にしている)
うーん、確かに彼は、「用意しておいた日本語」を喋ってくれるときにも、「うん? 今、ミンソクさま、なんておっしゃったの?」と思ってしまう場面が多かったのです。
でも、このひとは、そのぶん、大仰なジェスチャーだとか、おどけた動きをしてくれて、一生懸命、会場を楽しませてくれようとする。
それって、彼がファンをとても好きでいてくれるから、大切にしてくれているからなんだと思う(あの場にいるとそう感じる)。
そういうミンソクさんの姿勢が、見ていて、ほんとうに嬉しかった。
⑦ 【Baekhyun】
順番から言って、ベクの「感想コメント」はミンソクさんの次、7番目にあたっています。
ほかのメンバーが話しているとき、途中まではこのひと、きちんと顔をそちらにむけて聞いているんですが、シウミニヒョンのコメントの途中あたりから、突然、「体育のときの『休め』の姿勢」をとりだし、おまけにかなり顔をうつむけて、微動だにしなくなる。
「ミンソギヒョンの次が、自分の番」なわけで、ベッキョン、「何をどう言おうか」すごく集中して考え込んでいるんですよ…!
(23日も24日もそうだった)
3. 【Baekhyun】オーディエンスを掌握する
24日、ベッキョンの最後のコメント。
「何を言おうかずっと考えていたんですが、他のメンバーがいろいろ、いいことを言ってくれたので、僕が言うことがなくなってしまいました」
「だから、会場の皆さんとひとつのゲームをして一緒に遊びたい」
「僕がこれから『チョワ?』(好き?)と言ったら、皆さんも『チョワ!』(好き!)と返してください」
──と言って、彼が音頭をとって、何度か会場にマイクを向け、「チョワ?」「チョワ!」のやりとりをしました。
「『ワ』のところを、もっと短めに言って」
「もっとかわいく言ってください」
と、2回ほど、ベクから(通訳さんの言葉を通じて)、「ダメ出し」が入ります。
そして3回目には、会場の「チョワ!」に、「かわいいねえ」と、ベクから(直接、日本語で)おほめの言葉。
会場は「きゃーきゃー」です(すごかった)。
そのあと、何度か、ベクと会場の間で「チョワ?」「チョワ!」「チョワ?」「チョワ!」の応酬が交わされました。
私も(いい大人の年齢ですが・笑)、隣のQも、もちろん一生懸命「チョワ!」を叫びます。
ペンライトを振りながらね。
そしてベクからお褒めの言葉。「かわいいねえ」。
お約束なやりとりだとはわかっているけれど、ベクから(日本語で)褒められると、なんだかバカみたいに嬉しいのです。
コンサートの興奮と、会場の熱と、もうこれでこのコンサートはこれで終わりだっていう、センチメンタルな気持ちが、たぶんそう感じさせたんだろうけれど。
あの「チョワ?」「チョワ!」「チョワ?」「チョワ!」のやりとりの間、私はほんとうに嬉しかったし、楽しかったのです。
彼は、あの「ちょっとしたゲーム」をいつ思いついたんだろう?
シウミニヒョンのトークの間、あの「休めの姿勢」のときの、うつむけた頭のなかで、考えついたのかな。
それとも、事前にある程度、スタッフさん(とか通訳さん)とかと打ち合わせしていたのかな。
どっちにしても、ベッキョンには、非常に強力な「オーディエンスを掌握する力」があると思いました。
あの場にいたひとたちが全員、「チョワ!」って叫びながら、ほんとうに幸福そうだったもの。
(2017.12.30)
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