この記事は、EXO-CBX の最新曲「Paper Cuts」(2019年4月10日リリース)について書いています。
眠れない理由に
気づかないふりをした
僕らはこの手で
明日を切りひらくため
胸に見えないナイフをしまってる
愛のない世界で
うつむいた日は
星のない夜空 切り抜いていよう
the paper cuts in my hand
光に
照らし出されて
はかなく壊れそうな
the paper cuts in my hand
見えるかい
夢みた世界が
忙しく 過ぎ去っていく
速すぎる時のなかで
今しかできないことばかりの
毎日を生きている
目を閉じれば
いつもきみがそばにいる
愛がわからなくなりそうな日は
星のない夜空 切り抜いていよう
the paper cuts in my hand
光に
照らし出されて はかなく壊れそうな
the paper cuts in my hand
愛しい きみの笑顔が
会えない時間が
愛のほんとうの意味を
教えてくれる
don't wanna be out of time
離れていても
the paper cuts in my hand
ひとりじゃない
星のない夜空 切り抜いてごらん
the paper cuts in my hand
光に
照らし出されてはかなく壊れそうな
the paper cuts in my hand
見えるかい
夢みた未来が
(red : Baehyun, blue : Xiumin, green : Chen)
Paper Cuts
静かにささやかれるような、とてもきれいなメロディの歌でした。
センチメンタルですが、ある種の明るさがあって、悲しいだけの旋律ではありません。
「あえない時間」が続き、「忙しく過ぎ去ってしまう毎日」のなかで。
ふと見上げた「星のない夜空」を、架空の鋏で切り抜いて、きれいな切り絵細工を作り出そう。
そしてその向こうに、僕たちの大切なものを思い浮かべよう。
ふたりの思い出や、抱きしめていた夢を。
未来が持つ光や、確かな愛の存在を。
——そういうたいせつな宝物を、夜空の切り絵細工の向こうに見つめよう。
忘れないように。
失くしてしまわないように。
そんな歌です。
最初の歌い手は、ベッキョンです。
楽器によるイントロダクションがないので、彼が息を吸う音から、この歌ははじまります。
ベッキョンが語りかけるように歌うとき、その声は、深夜の恋人からの電話のような、親密なニュアンスを持ちます。
それと同時に、この楽曲での彼の声は、終始、強くせつなさをたたえています。
シンプルなピアノの伴奏に、とても優しく寄り添って私たちに届けられるような、そういう声です。
ひとつひとつの言葉を、その声できちんとくるむようにして、丁寧に歌ってくれるのは2番手のシウミンです。
私は、彼の声から「お菓子みたいな甘さ」(「バターの香りがする、さくさくしたクッキー」をよく思い浮かべます)を感じるのですが、その甘い感じの声で綴られる歌を聴くと、彼のほんとうの気持ちを差し出してもらったような気がします。
その声は、あどけないようにも聞こえるのですが、やはり、「青年の喉」から繰り出されたんだな、という成熟したニュアンスも強く感じます。
(彼にとっては外国語の)日本語の単語を、危なげなく発音してくれていて、きっと大きな努力を重ねてくれたんだろうな、と思います。
ありがとう、シウミンさん、ベッキョンくん、チェンくん。
日本語の歌は、あなたたちからのとても素敵なプレゼントです。
3番手の歌い手が、チェンでした。
直前のベッキョンが歌ったサビと、同じ旋律が、彼の声で歌われていきます。
——実は、最初に聴いたとき、ほう、とため息がこぼれました。
「このひと、ソロアルバムを出して、ものすごくたくさんの『鉱脈』を見つけたんだな」と驚いたのです。
彼の歌唱は、今までよりももっと研ぎ澄まされていて、聴いている私に、強い陶酔をもたらすようでした。
たぶん以前だったら、単純に張り上げてしまっていたんじゃないか、という箇所を、非常にセンシティブに歌い分けてきています。
チェンの声が本来的に持っている、甘さや澄んだ声質の美しさだけではなく、あたたかみや繊細さをも強く感じさせてくれるような、そういう優しい声で歌ってくれているな、と思いました。
*
この歌の最後は、シウミンさんの歌声で閉じられます。
ご存知のように、昨日、シウミンさんが5月7日に入隊することが決まった、というニュースが流れました。
「絶対に泣かないでおこう」と心に決めていたのに、私はバカみたいに泣きました。
シウミンさんはいつも、「ファンのひとたちを幸せにしたい」と、繰り返し言葉にしてくれています。
私が泣いてしまったら、そんな彼の願いを、無にしてしまう。
そう考えたから、泣かないでいよう、と心に決めておいたはずなのに。
第一、なんでこんなに悲しいんだろう?
私はジョンデくんの歌声の大ファンで、その彼からは、「ソロアルバム」という大きなプレゼントをもらったばかりです。
なのに、シウミンさんが、ステージから遠ざかる日が発表されて、こんなにバカみたいに泣いているのは、なぜなんだろう…?
昨夜からずっと考え続けていたのですが、この「Paper Cuts」という、新しいプレゼントを聴いてみて、理由がわかりました。
私はジョンデくんだけではなくて、CBXが大好きなのです。
泣きながら、そのことに改めて気づきました。
この3人が、その個性をそれぞれに輝かせながら作り上げる、歌とステージの世界がほんとうに好きで好きで好きで、たまらなかったのです。
そして、シウミンさんがいなくなったら、CBXの活動も、自動的に休止期間に入ってしまいます。
さらには「次に3人がそろってくれるのは、いつなんだろう」と考え出すと、あまりにも先が見えないような気がして、涙がとまらなくなってしまったのです。
でも、この一番あたらしい彼らの曲を聴いて、もう泣くのはやめようと思いました。
美しいバラードのメロディに乗せられて歌われていたのは、いま、手にしている幸福や愛情という宝物を、見失わないでおこう、という内容の歌詞でした。
悲しんでばかりいたら、彼らが一生懸命用意してくれた、ステージや歌を、ちゃんと味わうことができません。
その楽しさ、その輝きをきちんと心に焼きつけておくために、私は、涙をふいて、心をクリアにして、彼らからのプレゼントを両手でしっかり抱きしめよう。
そう思ったのです。
*
日本語で歌われた「Paper Cuts」は、聴いた瞬間に、メロディに乗せられた言葉の意味が、心にすっと入ってきます。
彼らが韓国人で、日本語を一生懸命勉強したうえで歌ってくれているのだ、ということを忘れてしまうくらい、歌声の中の彼らの言葉はナチュラルに耳に届きます。
CBXの3人からの、一番あたらしいプレゼント。
「Paper Cuts」は、とてもきれいな曲でした。
センチメンタルな、でも単純に悲しいだけではなくて、泣いている私の心の窓を、すこし、開けてくれたような——そんな素敵な歌でした。
(この記事は「CBXに夢中」44です。)
★当ブログの過去記事を紹介させてください。
去年の5月に書いた記事なのですが、昨日、シウミンさんの入隊日決定のニュースをうけて、ツイッターの方で先んじてご紹介させていただきました。そうしたところ、「この記事で救われた気持ちになった」と書いてくださった方がいらっしゃいました。
とても嬉しかったです。ありがとうございます。——そして、私自身も、自分が書いたものを読み返して、シウミンさんの気持ちに思いを馳せました。
この記事に書いたことは私の勝手な想像なのですが、でも、シウミンさんが何度も繰り返してくれている「ファンの人に幸せになってもらいたい」という言葉を、もう一度かみしめたいな、と思いました。
次の記事は……こちら!
ランキングに参加しています。ああ、CBXコン、いよいよ近づいてきました。…もう、これが最後かも、と考えると、怖いような気さえしてしまうのですが(ああ……弱いな私・苦笑)大好きな3人のプレゼントを、両手で精一杯、受けとめようと思っています。よろしければ応援してくださると、嬉しいです。
(画像はお借りしています。ありがとうございます)
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